トドカレーと熊カレーを食べる
2006年 01月 12日
胃の検査でバリウム飲んでグルグル回されたので気分は優れないが、昨夜から何も口にしていないので空腹状態。
どちらにしようかと迷った挙句、(多分)不味そうなトドカレーから片付ける事にした。
缶を切って片手鍋に開ける時にルウが指先に付き、何気なしに舐めると強烈な「生臭さ」がムンと鼻腔を突く。
鍋に開けた時は煮凝りのように缶の形のまま「ドロン」と出てきたので、舐めたのは上澄みのエグイ部分だったのだろう。
ぬるくて生臭いのは最悪なので、充分に加熱して攪拌し、皿に盛る(写真は1皿目)。
ルウの粘りや食感は100円で売っている「めいらく」のレトルトカレーそのもの。
肝心のトド肉は、小指の先ぐらいのものが所々に散らばっている程度で、固くパサついた歯応えと独特の風味は昔よく食べた「鯨の大和煮」によく似ている。
ただし、油脂・調味料類をたっぷり加え、しかもかなり辛くしているあたり、「獣肉臭」は多分鯨よりも強いのだろう。
辛いのが苦手でなければ、鯨肉の味を覚えている世代なら問題なく食べられるんじゃないかと思う。
機械的にスプーンを往復させ、お替りして全部平らげた。
検査で飲まされた胃の膨張剤がまだ残っていたらしく、仕事中何度も「トド臭いゲップ」を反芻させられたのには参った。
余談になるが、今から16年前、キャンプ道具一式を担いで仲間と3人で大雪山系を縦走した。
濃霧と降雨の中、沼の原を歩いていると100mほど先で小熊がハイマツの間を左から右に駆け抜けるのを目撃した。
こちらは風下だったので、気付くのが遅かったのだろう。
小熊の先には母熊がいたはずで、直後に足の疲れが一瞬にして消え去ったのが忘れられない。
万能薬として重宝され、俗に「熊の胆(い)」と呼ばれる胆嚢は豚のそれと見分けがつかないので買う人の目の前で取り出すそうだ。
さてと。。。
本日の夕食は世界でも有数の猛獣である熊のカレー。
昼に食べたトドカレーの余韻が残る中、「2食続けてカレー2人前はシンドイなぁ~」と思いつつ、勢いで缶を開けた。
写真は加熱しているところ。
フラッシュを使っているので色が薄く見えるがトドカレーと同じ茶褐色。
熊肉は獣肉特有のクセがなく、肉も柔らかくてかすかな甘味というか、いやらしくない独特の風味がある。
クド過ぎるルーの味、熊肉の美味しさを損ねてしまっている。
「結構美味しいよ」と振っても妻は「そういう趣味はない」と釣られる気配がないのでこれも全部1人で食べた。
1,050円も払い、しかも不味いトドカレーを完食した手前、残すわけにはいかなかったのだ。
重苦しい満腹感の中「何が悲しくてこんな事やってるんだろ?」と反省しながらミカンを3つ食った。