フォークリフト
2006年 10月 05日
トヨタ5FD20 (最大荷重1t)
資産台帳を見ると昭和63年購入、いつの間にか最古参になった。
20年、30年は当たり前という産業車両、パーツがあるうちはメンテをしっかりやっておけばいつまでも保つものだ。
このリフトは粘りのあるディーゼルエンジンとコンパクトで操作しやすく、受講生の評判が良い。
コンピュータ制御導入前の簡便性と、操作性に重点を移行させつつあった時期に生産されたこの型は、中古市場で未だに絶大な人気を誇っているらしい。
「ほれっ! 右手は膝の上に置けってさっき言ったべさ!」
自分の体格に見合った座席位置を決められない(そういう事を知らない)人が100人中95名、一体どうした事か?
足を目一杯伸ばしてもクラッチを最後まで踏めないからギヤ鳴りするというのに、それをリフトのせいにしようとする兄ちゃんが「GTRのMT」を乗り回していたりする。
シートを倒し、腕をピンと伸ばしてハンドルを握るドライヴィングポジションがカッコいい などといったアホな風潮、何とかならぬか。
Dレンジに入れっ放しで済むATの普及がそうさせたのだろうが、視界は狭いし咄嗟の操作が遅れるから想像以上に危険なのだ。
事故ったらカッコイイ怪我人が出るというわけでもあるまい。
免許更新時講習などでフォローしてもらえれば交通事故は確実に減るだろうに。
三菱FG15D (最大荷重1.5t)
現在三菱は内燃式リフトから完全撤退し、アフターサービスを系列の日本輸送機械㈱(ニチユ)が受け持っている。
ニチユはオペレータが立って操作するリーチ式フォークリフトの先発メーカで、商品名である「プラッター」がそのままリーチ式リフトの代名詞になっているほど浸透している。
モデルチェンジ直後に納車した3年前、この車両が北海道で売れた第1号だと、担当の営業マンから告げられて一緒に嬉しい思いをしたものだった。
操作性は他社と遜色ないが、駆動系の耐久性がやや劣る。
小松 FG15C-20(最大荷重1.5トン)
今月納車したばかりの新車。
抜群の操作性と安定感は先行メーカならではで、ユーザ満足度が非常に高い。
これはTCMの車両にも当てはまる。
コマツは元々ディーゼルエンジンの大型機種が得意分野。
ガソリンエンジンのノウハウを持たないために他社エンジンを使用しているが、今回のモデルチェンジであろうことか、燃費と静粛性が低下してしまった。悔しい。
このクラスで技術開発力と販売戦略に長けるトヨタに大きく水をあけられないかと、「ファン」としては複雑な心境だ。
今回紹介できなかったが、この他にトヨタ5FGL10(1トン)、同7GFL15(1.5トン)があり、講習人数に応じた台数をトラックに積んで道内各地を回っている。
ここでいう1トン、1.5トンというのは最大荷重の値で、これは概ねフォークの根元から50センチ先に荷物の重心が掛かっている場合の「許容加重の上限」を意味している。
重心が前に行くほど重い物が積めなくなり(許容加重が漸減し)、無理すると尻が浮く。
積卸し作業で荷物を高く上げたまま急旋回すると遠心力で簡単に横転する。
先にオペレータが投げ出されるのが普通で、倒れたリフトの下敷きになって毎年何十人も亡くなっている。
その他、マストとボディの間に挟まれたり、安全確認を怠って同僚の足をタイヤで潰したりと、公道と違って事故の要因は尽きない。
リフトは自動車と同じような感覚で操作出来てしまうため、労災に占める無資格者の割合が格段に多いから困ったものだ。
ちなみに、傍から見ていてヒヤッとするような作業でも、熟練オペレータであれば限界点を見切っているから事故を起こす心配は少ない。