母校の学園祭
2006年 10月 07日
気が進まなかったが、以前から娘と約束していたので薄暗い中車を走らせる。
悪天候のせいもあってか人影もまばら、サークルやゼミによる模擬店も大部分が閉店準備をしている。
卒業して今年で20年、当時の建物は図書館と礼拝堂が残っているのみで、懐かしさを感じられないのが淋しい。
当時プレハブだったサークル棟も鉄筋4階建となり、まさか廃部してないだろうかと心配しながら探ているうちに見つかった。
8畳程度の狭い部室に男女15名ほどがひしめき合っている。
ここのOBだと告げたら「オーッ」と歓声が上がった。
創部当時からのアルバムを引っ張り出してきて当時の私を探す部員たち。
なんだか部屋の様子が変だな。
「本はどこにあるの?」
「ハァ、全部処分しました」
「・・・・」
バイト代から捻出して買ったのを何10冊も寄贈したというのに。
自分が部長をやっていた当時、将来ここを訪れた時に「昔はガリ版スッて製本したものだ」とか、「暖房が7時で切れてお湯を飲んで寒さを凌いだ」といった話はカッコ悪いからやめよう、と心に誓っていたので口には出さなかったが、机も椅子もなく、サッカー好きの連中がダベっているだけというスペースに成り果ててしまっていた。
後進のことをジジイが云々言うことの嫌らしさは十分に承知しつつ、「たまには勉強しなきゃダメだよ」と言い残して去る。
現在副学長になった恩師にお茶の一杯もご馳走になろうかと研究室を訪ねるも不在、最後にチャペルに寄ってみる。
ここだけは昔から何一つ変わることなく、唯一、懐かしさを感じる場所。
ここのパイプオルガンは1965年に設置され、北海道内のパイプオルガンで演奏可能なものとしては最古のものと言われている。
大学の意向で何時、誰が出入りしてもいい事になっている。
勝手に照明を灯し、ポピュラーな賛美歌「祈祷312」を奉納する。
「い~つくしみふかぁ~きぃ~ と~もなるイエスは~」